美しい花器はいくつもあります。手工芸による高級品からデザイナーによるモダンなものまで、その種類は様々です。単に見た目の美しさを目指すのではなく、別のアプローチでデザインを始めようと思いました。

 

花器の草花は私たちに癒しと潤いを与えます。かれらを新しい家族として迎え入れるための居場所を作ろうと考えました。家族と過ごす時間は一様ではありません。苦楽を共にする時もあれば、一人になりたい時もあります。私たちがベットに入るように、かれらにも休息は必要です。

 

まず、かれらの住まいとなるシンプルで背の高い箱を作りました。プライバシーを考慮し、フロントパネルだけを少し短くカットしました。次に、身体を優しく受け止められるよう、両サイドの壁に緩やかな曲線を加えました。背面に生まれたスリットは、後方からの眺めにかれらの気配を微かに感じる仕掛けを提供します。草花の気持ちに配慮した家を設計した結果、まるでプレゼントの箱を開けたかのようなエモーショナルな花器が出来上がりました。