ある日、夢をみました。私は一枚の美しいモノクロ写真を眺めています。写真には薄暗い部屋の中、ベッドの隅に軽く腰かけシューズの紐を解くバレリーナの少女が写っています。彼女の傍らには小さく質素なテーブルがあります。テーブルには小さな明かりを灯す一本の蝋燭と、それに照らされた小さなイヤリング。決して上等ではない、転がり落ちてしまえば探すのに苦労する程に小さな、しかし、彼女にとっては宝物であろう可愛らしいイヤリングが蝋燭の明かりの下に置かれています。すべてが小さく、すべてが美しく感じられました。

 

私は小さな照明を作ることにしました。彼女がイヤリングを置く小さなテーブルの付いた、一本の蝋燭のような照明にしたかったのです。モノクロームの少女が悲しげに見えたせいか、とてもカラフルになりました。